「ヨネックス トマス杯&ユーバー杯 ジャパン2006」7日目は、トマス杯の準決勝2試合が行われ中国とデンマークが決勝に進んだ。前回優勝の中国はトマス杯に特別な思いを抱くインドネシアと対戦した。
第1シングルスは中国の全英チャンピオンで世界ランク1位のリン・ダンとインドネシアのアテネオリンピックチャンピオン、タウフィック・ヒダヤットが対戦した。リン・ダンにとっては05世界選手権で敗れており雪辱を期して、前半から積極的なプレーを展開したのに対しタウフィック・ヒダヤットはネット戦を挑んだ。しかし、リン・ダンの豪快なスマッシュが次々にコートに突き刺さった。第1ゲームを21−16で取り、続く第2ゲームも多彩な攻撃で圧倒し21−8でチームに貴重なポイントをあげた。試合を振り返ったリン・ダンは「初めからきっちり戦うことができ、点差が開いた時点でタウフィック・ヒダヤットは追い上げが無理だと思ったのではないか」と喜びを語った。
第1ダブルスは中国が世界ランキング3位のカイ・ユン フ・ハイファンとインドネシアの世界ランキング5位のルルク・ハディアント ユイリアント・アルベンが対戦した。11−14とリードされた中国ペアは追い上げて15−14と逆転したものの、1点を争う息詰まる熱戦となった。22−22となったところでフ・ハイファンがネット前をプッシュで決め23−22、最後もフ・ハイファンがジャンピングスマッシュを決めて24−22で制した。続く第2ゲームも終盤までもつれた展開となったが、20−17から最後はロングサービスがエースとなり21―17で勝利を収めた。カイ・ユンは「3〜4点ビハインドがあっても自信をもって戦えばなんとか出来ると思った。プレッシャーは必ずつきまとうものだし、これを克服出来なければ一流ではない」と言い切った。
あと1勝とした第2シングルスは中国のバオ・バオがインドネシアのソニ・ドイ・ソニと戦った。第1ゲームを21−17で取り、続く第2ゲームは一転6−15と苦しい展開となった。ここでリズムを変えようとロブを多用したことで、ソニのリズムを崩したが、19−20と先にマッチポイントを取られた。ここでプッシュを決め追いつくとソニのスマッシュがサイドアウトで21−20とした。しかし、ソニも決してあきらめることなく、21−21、21−22、22−22とスコアが動いたあと、バオのスマッシュをレシーブできず23−22、最後はソニのスマッシュがアウトになり24−22でチームの勝利を決めた。敗れたソニは「プレッシャーはなかったが我慢が出来なかった。スマッシュを打つには難しい球が多かった」と悔やんだ。一方バオは「今日は最高の闘志が出た」と苦しみながらも勝てたことを喜んだ。中国の李永波監督は試合を振り返り「負けている時でも勝ちに行く気迫を失わず全員が戦ったことを誇りに思う。選手の優秀さを証明できた」と選手の健闘を称えた。
準決勝2試合目はデンマークとマレーシアの対戦となった。第1シングルスはデンマークのピーター・ゲートとマレーシアのリー・チョンウエイの戦いとなった。ピーター・ゲートは世界ランク2位、リー・チョンウエイは世界ランク3位とあって激しい攻防が繰り広げられた。第1ゲームはチョンウエイが一時逆転したが、ピーターがスマッシュを連続して決めるなどして20−17とゲームポイントをにぎった。ここでチョンウエイも粘ったものの「ミスが多く調子もよくなかった」とロブがアウトになり21−19でピーターが取った。第2ゲームも19−18となったところでピーターのロブをアウトと判断して見送ったがインと判定され20−18、最後はクロススマッシュを決められ21−18でデンマークが大事な初戦でポイントをあげた。
第1ダブルスはデンマークが全英ダブルスチャンピオン、世界ランク1位のマーチン・
ルンドガード・ハンセン/イエンス・エリクセンとマレーシアの世界選手権3位のクー・クー/チャン・チャンの対戦となった。第1ゲームを21−17でマレーシアペアが取り続く、第2ゲームは大激戦となった。両ペアとも一歩も譲らない攻防は20−20から28−28まで続き、ハンセンの打ったドロップがレシーブミスを誘い29−28とデンマークが7回目のゲームポイント。最後は長いラリーの末ハンセンがスマッシュを決め第3ゲームに持ち込んだ。このゲームではレッドカードがチャンに出たが、チャンは「なぜレッドカードが出たのかわからない、感情はコントロールできた」とその場面を振り返った。続く3ゲームはハンセン/エリクセンにミスが目立ち、21−6でクー/チャンに軍配があがった。チャンは「チームプレーなのでよりやる気を出していくことがチームを救う」と熱戦の末ポイントを1−1のタイに持ち込み次につなげた喜びを語った。
第3シングルスはデンマークの世界ランキング7位、ケネス・ヨナセン、マレーシアの世界ランク10位、ムハンマド・ハフィス・ハシムの戦いとなった。第1ゲームを接戦の末22−20で取ったのはハシム。レシーブで耐え攻撃のチャンスをしっかりものにしたが、続く第2ゲームはヨナセンが21−12で奪いこの試合も第3ゲームにもつれ込んだ。お互いに一歩も引かない中、ヨナセンが次第にリードを広げ20−17としたところで、ハシムのレシーブがバックアウトとなり、ポイントを2−1としたデンマークが王手をかけた。敗れたハシムは「チェンジエンドしてから風が強くシャトルコントロールがうまく出来なかった。重要なポイントであることはわかっていたが、ベストを尽くした」と話せば、勝ったヨナセンは「もっと簡単に勝てると思っていた。感情を抑え集中力を高めて戦った」と振り返った。
第2ダブルスはデンマークの世界ランク4位のマシアス・ボー/カールステン・モゲンセンとマレーシアの全英2位、世界ランク7位のチェーン・タンフック/リー・ワンワーと顔合わせとなった。第1ゲームは相手のミスで連続6点を挙げるなど確実なプレーをしたチューン・タフフック/リー・ワンワーが21−13で取った。第2ゲームは14−13としたボー/モゲンセンがサービスレシーブのミスなどで20−15として最後にタンフックがレシーブをネットにかけボー/モゲンセンが21−15で奪った。第3ゲームはタンフック/ワンワーのリードで迎えた15−10の場面で、ボーが痛恨のレッドカードを受け1点を加え、点差を広げた。デンマークに一時追い上げられたが、20−19でボーのサービスがアウトとなりポイントは2−2のタイで、最終試合にもつれ込んだ。
最後の第3シングルスはデンマークのヨアヒム・ペルソンとマレーシアのクァン・ベンホンが対戦した。第1ゲームは終始リードするゲーム展開を見せたペルソンが、21−12で取った。後のなくなったベンホンだがミスが続きなかなか点差をつめられない。ペルソンは長身からの鋭いスマッシュを織り交ぜながら攻め18−15としたもののここからベンホンが粘りを見せ19−18と逆転した。しかし2本続けてミスが出て20−19と再びペルソンが逆転、最後はベンホンのカットがネットにかかり21−19でものにしてデンマークが3−2で決勝進出を決めた。最後の試合で勝利したペルソンは「人生の中で一番嬉しい。最初は緊張したが、最後はよく出来た。」と自讃した。また、ペデルソンヘッドコーチは「プレッシャーの中でいいプレーが出来た。今日と同じプレーが出来ればチャンスはある」と抱負を述べた。
トマス杯の決勝は大会最終日の7日午後1時から行われる。